浄土真宗本願寺派のお寺乗光寺は

高知市の東

市内から室戸岬への中間辺り

安芸郡安田町にあります。

ごめん・なはり線の安田駅からも

安田川の太平洋への河口からも

ちょうど歩いて10分。

山と海の恵に感謝し、自然の中で

お寺の役割を実践したいと

常々考えております。

乗光寺本堂
乗光寺山門

乗光寺について

乗光寺は、山号を指月山といい、高知県の東部安田町の下庄田にあります。浄土真宗本願寺派の末寺で、幕末の名儒学者岡本寧浦の生家でもあります。

寺史

寺の創建は古いと伝えられているのですが、残念ながら寛永15年(1638)12月安田大火の折この寺も焼失し、古書が残っていないため詳しいことは分かっておりません。 

創建当時のご本尊阿弥陀如来は、長さ一尺七寸の立像で古書には聖徳太子の作とあり、中世期(1200~1635年)における安田庄(現在の安田町、馬路村)の領主である安田三河守が自分の守り本尊を寄附したと伝えられています。

寺伝によると、岡本家の祖先岡本源太郎治長は元幡多一条家の家臣で一条氏の息女が安芸城主安芸備後守國虎に縁組みした際、その付き人として安芸に来たと伝えられています。その後、長宗我部元親との戦で國虎が敗れ安芸家滅亡ののちに、難を安田に避けここに落ち着きました。

そして源太郎治長(常林)の子慶圓は仏教を修め、後に一寺を建立し乗光寺と称したといいます。その年代は天正末期(1580年ごろ)と推定されます。

現在の本堂は昭和36年再び不審火による火災に遭い、昭和57年に再建されたものです。

乗光寺山門

当寺院の珍しいコンクリートの門柱や鉄製の扉などは、三菱との交流で鉄筋コンクリート造を採用し、建築されました。鉄製の門扉は大戦中に供出されていました。親柱上部には金属製の照明用飾り金具を取り付け、現代的な意匠が残されております。安田町の大正期の意匠を残す寺院山門として価値があり、国指定登録有形文化財(建造物)です。

登録有形文化財サイト 乗光寺山門へ

乗光寺書院

寺院の敷地の中の伝統的な和風住居は、寺伝によれば三菱創業者岩崎弥太郎の岩崎家とそのいとこにあたる第百十九国立銀行(後の三菱銀行)頭取豊川良平の豊川家からの寄進によって建てられたと伝えられております。数奇屋の様式を取り入れ、土佐の基本的な間取りを採用した品格のある質の高い建築となっており、国指定登録有形文化財(建造物)です。

登録有形文化財サイト 乗光寺書院へ


系譜

 初代 慶圓

 二代 祐誓

 三代 諦蘇

 四代 義天

 五代 辨翁(弁翁)

 六代 立然

 七代 泰證

 八代 快蘇

 九代 弘道

 十代 弘昭

浄土真宗本願寺派 指月山 乗光寺

JodoshinshuHongwanji-ha Shigetsusan Joko-ji

現住職 十一代 田中敦也

岡本寧浦について

岡本寧浦(おかもとねいほ)1794~1853 儒学者

寛政6(1794)年、乗光寺5世弁翁の子として生まれる。幼名を有隣、長じて大年、号は始め「雄峯」、後に「寧浦」と称した。

上京して本願寺に学び仏典にも深い造詣を示したが、さらなる活社会の実益を求め儒学を志した。

大阪の篠崎小竹や大塩平八郎、江戸の安積艮斎、佐藤一斎らと師友の交わりを結んだ。天保6(1835)年、郷土に帰り、岩崎弥太郎の母の姉とき(余談ではあるがときの姉美和の甥が豊川良平)を妻にむかえ 、再び大阪に出て儒学を教授、評判が高くなり備後の福山侯に招聘されるが、土佐藩主山内豊熈 がこれを聞き「土佐藩の大学者が他藩に採用されるのは土佐の名おれ」と藩の教授館下役として採用。時に彼は45才の知恵盛り、勤めのかたわら、紅友社という家塾を開いた。

酒と交友は彼の生命といわれ、樋口真吉、武市瑞山、鹿持雅澄、吉田東洋らと交わり、門人に岩崎弥太郎、清岡道之助、河田小龍らがあり、その数1000余人に及んだ。

嘉永6(1853)年10月没。60才。大正13年正五位を贈られる。
墓は高知市薊野、東真宗寺山南峰。

岡本寧浦についてもっと詳しく

左:乗光寺に残る、岡本寧浦のお軸_河田小龍書画
中:石泉から寧浦への書
右:岡本寧浦の書

乗光寺の行事

報恩講 (毎年 11月28日)

報恩講は浄土真宗の宗祖親鸞聖人のご恩をしのび、そのご苦労を通じて、阿弥陀如来のお救いをあらためて心に深く味わわせていただく当宗派では最も重要とされるお仏事です。

当寺では毎年、旧暦の親鸞聖人のご命日である11月28日にお勤めさせて頂いています。

御門徒様はもちろん、御門徒以外の方であってもこの法要にご来寺いただき阿弥陀様のご慈悲に触れていただいております。

旧暦の11月28日は現在の暦では1月16日にあたり本山の西本願寺では、毎年1月9日から16日まで御正忌報恩講をお勤めしております。

寺の四季